日本の伝統でもある正月飾り。年末になると「何となく飾っている」という方も多いのではないでしょうか?
住宅事情が昔とは大きく変わった現代。床の間や神棚がないというお宅も多くなりました。
正月飾りをどこに飾るのが正しいのか、そもそも正月飾りをなぜ飾るのか。そこまで知る人は少ないといえます。
今回の記事では
- 正月飾りをどこに飾るのか?
- 正月飾りをいつからいつまで飾る?
- 正月飾りの付け方&飾り方は?
- 正月飾りの意味や由来は?
これらの疑問についてご説明します。ぜひ日本の古き良き伝統のことについて知り、お正月を気持ちよく迎えてくださいね。
正月飾りはどこに飾る?正しい場所は?
門松やしめ飾り・しめ縄、また鏡餅を正月飾りとして飾る方も多いですよね。ではこれらの正月飾り。正式にはどこに飾るのでしょうか。
正月飾りどこに飾る?【門松】
門松は2つを一対として玄関の「門」のところに飾るのが正しい飾り方です。
門などないよ…という戸建ての場合は玄関前に2つ置きます。本来、門松は神様を導くためもの。ゆったり通れる幅で置くのが理想です。
またマンションの場合は全体の入り口に門松が立つことが多いかと思いますが、そういった場合は個別に置く必要はありません。
もし個別に置きたいという場合は、 他の住人の迷惑にならない場所に置きましょう。
正月飾りどこに飾る?【しめ縄・しめ飾り】
しめ縄やしめ飾りをどこに飾るのが正しいのかというと、自宅で飾る場合は以下の2か所。
・神棚
・玄関
神棚がないご家庭ではちろんどちらか片方だけでも大丈夫です。
ちなみに「しめ縄」と「しめ飾り」の違いですが、しめ縄は漢字で書くと注連縄。
蛇が絡まっている様子をあらわしています。↓画像のようなものを神社などでよく見かけますよね。
さすがにこんなに大きくて太いものは自宅に飾れませんが、家庭用の小さな物がスーパーやネットなどでも売られています。
しめ縄は主に神棚に飾ります。
また、しめ飾りはおしゃれな今風のしめ飾りなど、本当に様々なものが売られていますよね。
「しめ飾り」は主に玄関の扉(外側)に飾ります。玄関扉の上方(頭より高い位置)に飾ります。
ネットではモダンなしめ飾りが豊富にあります。まるでクリスマスリースのようなおしゃれ感ですね。
正月飾りどこに飾る?【鏡餅】
鏡餅を飾る場所は「神棚」や「床の間」になります。神棚や床の間がない場合は、居間や玄関からなるべく離れた場所に置きます。
家が狭くてそんな場所がないという方は、自分が「いい」と思う場所、大切だと思える場所ならOKです。
ただし、床にそのまま置いて見下ろすような置き方は避け、 正月飾りのために小さな机や台を用意しましょう。
お正月らしい雰囲気にして鏡餅を飾るといいですね。
普段使いもできる和モダンな棚。こんな台に鏡餅を置いてお正月を楽しむのも素敵です。
正月飾りいつから飾る?タイミングとは
正月飾りをいつから飾るのか?何となく年末あたりに飾り始めるという人も多いかもしれません。
じつは正月飾りを飾り始める「期間」は決まっています。そして、その期間であっても正月飾りをするのに「適さない日」もあるのです。
では、正月飾りをいつから飾ればいいのか?正式には
12月13日~12月28日。
なぜ12月13日から正月飾りを飾るのかというと、この日が「すす払いの日」だからです。すす払いとは新年を迎えるために家の中や外を清掃する年中行事のこと。
つまり一般家庭では年末の大掃除。
お寺で すす払いの後に新しい「しめ縄」を付けたというニュースを見たことがある人もいるかと思います。「すす払い」は12月13日にするものなのですね。
そのため、正式にはこのすす払いが終わった12月13日以降に正月飾りを付けるということになります。
正月飾りは大掃除を終えた後、12月28日までを目安に飾りましょう。
どうしても大掃除が間に合わなかったという人は、遅くとも30日には正月飾りを飾り新年を気持ちよく迎えましょう。
正月飾りいつから飾る?適さない日は…
また、さきほどお伝えたように「すす払い」が終わったからといってこの期間であればいつ飾り始めても良いというわけではないので注意が必要です。
正月飾りを飾り始めるのに適さない日は以下の2日。
・12月29日
・12月31日
29日は「くんち飾り」と言われ、「二重苦」「苦餅(苦持ち)」「苦松(苦待つ)」など 9が「苦」を連想させるので縁起が悪い日です。
ただし、29を「ふく」と読み、福を呼ぶから正月飾りをするのに良い日だとするところもあります。
また31日は葬儀と同じで「一夜飾り」と言われ、神様に失礼であるとされています。
31日に大慌てで正月飾りを飾る…。やってしまいがちですが余裕を持って神様をお迎えしたいですね。
正月飾りいつまで飾る?
ちなみに正月飾りをいつ外すのかといういうと、松の内を過ぎてから外します。
松の内は一般的には1月7日まで。関西などは1月15日までとなっています。
外した正月飾りは、1月15日頃に地域や神社行われる左義長(どんど焼き)で焼いてもらいます。※針金などは外して持って行きましょう。
正月飾りの玄関の付け方&飾り方 意味や由来から読み解く!
玄関に門松やしめ飾りを飾るのであれば、正しい飾り方やその意味、由来についても知りたいですよね。実は正月飾りにはとても深い意味や思いがこめられているのです。
門松の正しい飾り方
上でもお伝えしましたが、門松は2つを一対として玄関の門のところに飾るのが正しい飾り方です。
そもそも門松を家の前に飾る意味は、家を訪れる年神様のための目印にするためです。 ここが我が家の入り口ですよ、と今年の神様にお知らせするのですね。
また、 また家族やそこに住む人の健康や長寿を願う象徴ともされています。
門松に用いるものとしてふさわしいのが、松・竹・梅。
- 一年中落葉しない「松」
- 成長が早く生命力の強い「竹」
- 新春に開花する「梅」
門松にはこの3つの縁起物を用いて神様を迎え入れます。
しめ縄・しめ飾りの正しい飾り方
しめ縄やしめ飾りには、神様がいる場所と私達がいる場所を仕切る「結界」の役目があります。
ここは神域だよ、善良な民がいますよと魔物に知らせ、近づかないようにするためにしめ飾りをするのですね。
神棚に飾る場合は、御札が隠れてしまわないように気をつけて飾ります。玄関に飾る場合は、玄関扉の上方(頭より高い位置)に飾ります。
しめ飾りにふさわしい植物は
- 子孫繁栄の象徴「橙(だいだい)」
- 世代交代を意味する「ユズリハ」
- 夫婦円満の象徴「ウラジロ」
鏡餅の飾り方と手順
上でも説明したように、鏡餅を飾る場所は「神棚」や「床の間」。ない場合は、居間や玄関からなるべく離れた場所に飾ります。
また、鏡餅の飾る手順は以下の通り。
- 鏡餅の順番1 三方・三宝(さんぽう)※鏡餅を置く台
- 鏡餅の順番2 四方紅(しほうべに)・奉書紙(ほうしょがみ)※鏡餅を置く紙
- 鏡餅の順番3 裏白(うらじろ)・ゆずり葉※シダの葉を使うことが多い
- 鏡餅の順番4 御幣(ごへい)・四手(しで)・紙手(しで)※左右に広がったように置く紙
- 鏡餅の順番5 お餅
- 鏡餅の順番6 橙(だいだい)・みかん
- 鏡餅の順番7 扇・末広(すえひろ)
鏡餅は「豊作」や1年間の幸せを願って飾られるもの。そのお餅を神様に捧げ神様と新年をお祝いするのですね。
また、1月11日の鏡開きの日に鏡餅を下げて、1年間の無病息災を祈りお雑煮にして食べます。
昔からの習慣・伝統。日本人ならぜひこの伝統を守っていきたいですね。
まとめ
意外と知らない正月飾りの知識。飾られるようになった先人のその思いを知ると、私たちも心を込めて正月飾りを飾ろうと思えるのでは?
年末は少し心に余裕をもって年末の大掃除。気持ちよく新年を迎えたいですね。